ちゃんちゃんこを着てお祝いする長寿祝いについて
当社が呉服屋さんに卸している品物のうちで、呉服屋さんではめったに売れないのにインターネットでは安定的によく売れている商品に長寿のお祝い着というのがあります。
還暦のお祝いに赤いちゃんちゃんこを着てお祝いをするというのを聞いたことがあると思いますが、赤以外にもいろいろな色のちゃんちゃんこがあり、人生の節目節目でお祝いをしているのは意外と知られていません。
私の名刺にはちゃんちゃんこのイラストを載せていますが
異業種などの集まりで名刺を渡した時、こんなにいろいろな色があるんですか?と結構盛り上がります。
今回は宣伝も兼ねて長寿のお祝い着を紹介したいと思います。
まず色ですが
満60歳の還暦のお祝いは赤のちゃんちゃんこ
数えで70歳は古希のお祝いで紫のちゃんちゃんこ
数えで77歳のお祝いは紫のちゃんちゃんこ
数えで80歳のお祝いは紫のちゃんちゃんこ
数えで88歳のお祝いは黄色のちゃんちゃんこ
数えで90歳のお祝いは紫のちゃんちゃんこ(90歳のお祝いを黄色で紹介しているところもあります)
数えで99歳のお祝いは白のちゃんちゃんこ
数えで100歳のお祝いは桃色(ピンク)のちゃちゃんこ または、男性の場合は金色
上記のお祝の色ですが還暦の赤以外は地域性があって絶対この色でなくちゃダメというわけではないようです。
私の知っているところでは、群馬県のある地域では米寿のお祝いを赤いちゃんちゃんこで行うのが習わしのようですし、先日も福井のお客様から「88歳の祝いに着るちゃんちゃんこですが、身の回りでは赤色しか見たことがありません。60では誰もお祝いなどしません。米寿は赤と思っていましたが、地方による違いでしょうか?」とお問い合わせがあり、地域によって色が違う場合があるので確認をお願いしますとお返事をさせていただきました。
長寿のお祝はもともとは還暦の赤から始まり、しかも還暦のお祝は男性のお祝いだったようです。
還暦祝いは本卦還り(ほんけがえり)ともいい、昔は60歳まで生きることは長生きだったので、干支が一巡し誕生年の干支に還ることから、長寿のお祝とともに、これからの人生を健康に過ごしていけるように祈願して、「魔除けの色」とされる赤の衣類を身につけるようになったようです。
今では60歳なんでとても若いので、還暦祝いを長寿のお祝なんていうと、「私はそんなちゃんちゃんこを着るような年寄りではない!!」なんて、ちゃんちゃんこを着るのを拒否されてしまうことも多く、注文をいただいた後に本人にいらないといわれてしまったとキャンセルになることもあるのですが、干支が一巡し誕生年の干支に還り、これからの人生を新たにスタートする節目の行事と考えればいいのではないかと思っています。
また、色についても、還暦は赤で決まっていますがあとの色はあまり決めつけなくてもいいのではないかと思います。
当社でも、流通上の商習慣で先ほどご紹介した色を一般的には と表現して販売していますが、還暦~赤、古希~紫、喜寿~紫、傘寿~紫、米寿~黄、ときて卒寿~紫と色が戻ってしまうことに違和感を感じることもございます。
白寿の白は百から一を引くと白だからとか、百歳の桃色も百はももとも読むからと色の決め方がシャレみたいな理由なので、要は長寿はおめでたいので、本人が喜ぶような形でお祝いをするのが重要なのではないかと思います。
先日は米寿の88歳のお祝で「本人がピンクが大好きだから本当は黄色かもしれないけどピンクでお願いします。」という注文がありましたがとても素敵だなと思いました。
ここからは長くなるので今日はここまでにして次回から1つずつ詳しく紹介していこうと思います。
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