きものの基礎知識

着物の素材について

呉服・寝具の問屋 内山商店の店長 内山です。

着物に使われる素材は絹(シルク)が有名ですが、ウール、麻、木綿など様々な天然素材が使われています。

現在ではポリエステルに代表される化学繊維も多く使用されており着物の用途や好みの着心地、または予算によって素材を使い分けています。

素材それぞれの特徴や記事について書いてみます。

絹(シルク)

着物に使われる代表的な素材です。

絹糸は蚕の繭から作られ製糸方法や織り方によって様々な風合いの生地となります。

もっとも着心地がよく、軽くてやわらかい風合いは他の素材とは一線を画するものがあり、吸湿性や放出性、保温性に優れており、また、色を染めた場合にも美しい着物を作るのにすぐれています。

ただし、お手入れが少し面倒なので着物を着た後のお手入れを怠ると黄ばんでしまったり、シミが浮き出てしまったりするので、最近は安価な着物はポリエステル等お手入れが楽な化学繊維の着物が多くなっています。

しかし、やはり着物の素材としては絹がいちばんではないかと思うので正しい知識を得て、素敵な着物ライフを満喫していただきたいと思っています。

 

ウール

昔はお正月の着物など普段着の着物としてはウールが人気でした。

羊の毛から作られた繊維で高い保温性があり、適度な吸湿性もあります。

しかし、虫に食われやすい欠点があり、保存の際に防虫剤は欠かせません。

最近では普段に着物を着ることが少なくなったことと、やはり普段着としてお手入れが簡単な化学繊維の着物が多くなったので、なかなか見かけなくなりました。

木綿

木綿も普段気楽に着ることのできる着物の素材です。

肌触りが柔らかく、吸湿性に富み丈夫で自宅でじゃぶじゃぶ洗えるので実用性抜群です。

欠点はシワになりやすいことと、キモノとして絹と比べるとすべりが悪いことが挙げられます。

麻は暑い夏に最適な素材です。

通気性、吸湿性、速乾性が抜群でさらっとした肌触りは気持ちよく、透けすけで風通しがよく夏の着物が苦痛になりません。

一度は小千谷ちぢみなど麻の着物をお試しください!!

化学繊維

化学繊維にはポリエステル、ナイロン、レーヨン、アセテート、などがありとにかくお手入れが簡単なことから着物の生地素材としても重宝に使用されています。

着心地や風合いは絹には劣るものの、長所もたくさんあり安価なため(絹に比べて)これからますます増えていくと思います。

最近ではハイテクな化学繊維もたくさん開発されており風合いが絹に近いものも出てきています。将来的には着物の素材として主流になる気がします。



この記事が気に入ったら
いいね ! しよう

関連記事一覧

  1. この記事へのコメントはありません。